今一番注目されている「特定技能」ビザでの外国人雇用。
従来では、外国人を雇用するのに就労ビザの許可が下りるか否かのハードルがあります。
その会社で、その業務で、外国人が入職できるように出入国在留管理庁から就労ビザの許可をもらうためには、まず要件として、従事しようとするその業務の内容に関連した職歴・学歴が予め備えていることが必要です。
その業務内容と職歴・学歴の関連性を入管が分かるように証明して審査を受け許可を得るということに、ときには難しさがあります。
そして、単純労働とみなされる業務では就労ビザの許可が下りない、ということもありました。
それがこの「特定技能」ビザは、所定の試験さえ合格すれば上記のような業務と経歴の関連性はすっとばして入職が可能。
さらに、単純労働とみなされる業務(対象分野限定)で就労ビザが下りるようになったのです。
画期的な要件緩和がなされた在留資格として注目されており、政府もこの特定技能ビザでの外国人雇用を普及させるべく推進に注力する姿勢をみせています。
ただし、上記のように外国人を採用しやすくなった分、企業にはその外国人に対して身元保証人のように生活環境や相談体制の整備、そして義務付けされている様々な支援をしなければならない負担があります。
それらは、なかなか自前で行うことは難しく、それを代行してくれる業者に委託して運用している企業が多いのが現状です。
特定技能ビザで雇用する外国人一人あたり数万円の月額料金を支払っています。
その代行を業として営むには入管から「登録支援機関」という認定機関として登録を許可されなければなりません。
今回は、そんな「登録支援機関」が、特定技能ビザで雇用している企業から義務的支援の代行の委託を受けて業を営むのに、月額委託費として一体いくらもらっているのか。
政府の資料をもとにその相場をだしてみました。
登録支援機関の”月額支援委託料(1人当たり)”の相場。
平均金額は28,386円。
最も多い価格帯は「2万~2万5千円」「1万5千~2万円」
登録支援機関の登録を受けた機関の数は、「8918」もあります。(2023年12月時点)
特定技能制度が開始してまだたったの4年程度でこんなにも機関が増えているのです。
かたや、技能実習制度の監理団体の数は、特定技能制度よりはるかに歴史が長いにもかかわれず3599団体しかありません。
というのも、登録支援機関は監理団体のそれに比べ参入のハードルが低いのが要因です。
現在、新規参入が相次いでおり、中には個人や、もともと全く異業種をやっていた企業の新規事業としての参入も多く見受けられます。
登録支援機関の提供する支援代行のサービスの質も、もちろん特定技能制度ひいては外国人雇用のスペシャリスト揃いなのでしょうが、というかそうでなければなりませんが、上記のような構造的な面からいっていわゆる「ピンからキリまである」というのが実情です。
雇用する企業もそれらを見極めるためにもサービスの質と金額を、こちらの相場を参照して考えて、企業と特定技能外国人にとってより良い職場環境づくりについて模索していくことが肝要だと思います。