各国の”外国人労働者受け入れ政策”シリーズ。今回は「サウジアラビア」です。
まず、その特徴は…?
・外国人労働者数は400万人近くもいる
・労働人口における自国民比率は3割程度しかいない
・スポンサー制度
社会を支えている労働者のほとんどが外国人労働者。
もはや外国人労働者がいるからこそ成り立っている国といっても過言ではありません。
そんなサウジアラビアの外国人労働者の受け入れ事情はどのようなものか?
具体的に見ていきましょう。
労働人口の7割は外国人労働者
フィリピン人が出稼ぎに行く国トップである国。
外国人労働者数は400万人近くもいます。
労働人口における自国民の比率は3割程度にとどまっています。
石油大国であり、それで生計が成り立っています。
あえて働かなくてもやっていける自国民も多いわけです。
国の社会が動くための労働者の大部分を外国人労働者に依存している傾向があります。
サウジアラビアで働く外国人の国籍で多いのは、インド・パキスタン・バングラデシュ・フィリピンなどです。
国内労働者の7割が外国人労働者ってすごいですね。
フィリピンで一番出稼ぎに行く国です。
サウダイゼーション
国内企業に自国民の雇用義務を課す制度
特徴的なのは、「サウダイゼーション」という、国内の企業に自国民であるサウジアラビア人の雇用義務を課す制度に注力していることです。
各産業、各業種により、細かく、従業員の自国民の比率を何割にしなければならないなどのルールを定めています。
自国民だけしか雇用してはならないとする業種も多くあります。
サウジアラビアならではの特徴的な制度ですね。
外国人労働者が非常に多いですが、自国民でなければならない分野・職種・ポジションについてはしっかり定めていますね。
企業内の役職も自国民でなければならないとする場合も
また、人事部のトップの役職者は自国民でなければならないなど、企業の各部門の役職についても自国民に限定されている場合もあります。
現地に進出する外国企業の苦悩
この制度により、現地に進出する外国企業は、いやでも現地人を一定程度雇用しなければならない面があります。
しかし優秀な現地人は公的機関などハイクラスなところにいっている場合も多いです。
やむを得なく雇用するのが勤労意欲が低い人材になってしまう場合も多いだとか。
仕事も少ししかせず早くに退社するのに高給取りであったりするケースも多いそうです。
スポンサー制度
外国人が働くため入国するにはスポンサーが必要
サウジアラビアの外国人就労者の受け入れ制度で特徴的なのは、「スポンサー制度」という、外国人が入国する際、予め「スポンサー」という名の「雇用主」、身元保証人を確保した上で、査証を取得する必要があるということです。
2021年に改正が行われた
最近、2021年に、この「スポンサー制度」の改正が行われ、スポンサーの許可なしに転職が可能になったり、さらにはビザの取得まで可能になる、外国人就労者にとっては有利な制度変更が行われました。
コロナ禍で窮地に陥る外国人労働者が大勢
しかし、このコロナ禍によって社会の雇用が逼迫する中で、解雇を言い渡され失業を余儀なくされる外国人も多くなっています。
それに上記の「サウダイゼーション」もあり、窮地に陥っている外国人就労者が多い状況もあります。