台湾|外国人労働者受け入れ政策|介護分野へ注力|特徴を解説

台湾の外国人労働者受け入れ政策

各国の”外国人労働者受け入れ政策”シリーズ。今回は「台湾」です。

まず、その特徴は…?

台湾の”外国人労働者受け入れ政策”の特徴

・外国人労働者を雇用するのに税金がかかる

・介護分野への受け入れを促進

・語学スキルが入国要件にない

他国に先だって介護分野への受け入れに注力してきた台湾

では、具体的にその受け入れ政策の内容を見ていきましょう

目次

介護現場スタッフの8割が外国人

台湾では、早くから、他国に先立って「介護分野」への外国人の非熟練労働者の受け入れを促進しています。

台湾で働く外国人労働者のうち、3割以上が介護分野で就労しています。

また、介護現場で働くスタッフの比率は、自国民である台湾人の割合が非常に少なく、なんとその8割以上外国人労働者になっています。

在宅介護も対象内になっています。

つまり、台湾の介護現場は、外国人労働者で成り立っているといっても過言ではありません。

日本は最近から介護分野の受け入れに注力し始めたけど、
台湾はそんな早くから促進していたんですね…。

台湾は日本のこれからの良いお手本になりそうですね。

分野別に受け入れ可能人数が定まっている

業種別に国全体としての外国人労働者受け入れ人数定まっており、その枠内で各企業が受け入れを行っています。

また、各分野における二国間協定に基づいて受け入れが行われています。

受け入れを希望する企業がまずやること

外国人労働者を受け入れたい企業は、まず一定期間、自国民である台湾人の求人募集を行わなければなりません

一定期間を過ぎても応募が無い場合、その旨を政府機関に届出をし、外国人雇用を希望する申請ができます

そして、それについて許可が下りた企業が、外国人労働者の受け入れが可能になります。

あくまで自国民の採用が難しい企業が受け入れができるわけですね。

自国民の採用が難しいことをちゃんと証明して、それが認定されてはじめて外国人材の採用が出来るわけですね。

要件に「語学スキル」は必要ない

台湾の場合、外国人が台湾で働くのに、語学に関する要件がありません

例えば、日本の場合ですと、一定期間日本語を学習した事実や日本語の試験合格などが要件とされていますが、それが無いというわけです。

入国後に生活をしながら語学を学んでいくとされています。

語学に関する要件がないため、申請から実際の入国までが2〜3カ月程度と、短期間で実現できることになります。

台湾って外国人受け入れの大部分が介護分野なのに、コミュニケーションに必要な語学スキル要件を無くしているのは意外ですね。

日本では介護人材の受け入れについては予め日本語のコミュニケーション能力をしっかり持っていることが要件になっていますね。

外国人雇用税

外国人を受け入れる企業は、外国人労働者1人を雇用するにあたり、「職業安定費」というものを国に対して支払わなければなりません。

事実上、外国人雇用税のような機能になっています。

このように、外国人雇用についてコストを上げることによって、外国人労働者の雇用を制限し、自国民の雇用を守る措置を講じています。

「職業安定費」の金額は、月額7600〜4万円と業種によって幅があります。

ただし、介護分野についてはこの「職業安定費」は免除されています。

外国人雇用するのに税金を支払わなければならないのか…。

どこの国も、まずは自国民の雇用をちゃんと守る措置を講じた上で、外国人材を適切に受け入れられるように創意工夫に注力していますね。

民間の仲介斡旋業者を介して受け入れるのが基本

外国人雇用の許可は国から得なければならないものの、受け入れについては、民間仲介事業者を介して受け入れるのが基本になっています。

上記のように、言語学習を予めやらずに何もコミュニケーションができない状態でいきなり入国することになることも多いため、そのコミュニケーションのサポートや、各種生活支援、申請に関する書類のサポートなどが必要になるためです。

ただし、仲介事業者は、国の許可を受けなければならず、許可をうけるには高額な資本金が必要となっており、小さな会社が気軽に参入できないようになっています。

なにしろ語学スキルが全く無い状態で働き始めますから、通訳の存在は必須になりますもんね。サポートする会社の存在は重要になりそうですね…。

介護分野だとなおさら必要になってきますね。

雇用可能期間・転職と家族帯同の可否

外国人労働者の雇用期間は、原則3年間となっており、4回まで更新が可能。最大で12年間の雇用が可能になります。

転職は不可となっており、家族の帯同も不可です。

台湾の外国人労働者受け入れ政策

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